アートビジネスの教科書 感想1/2
NewsPicksより掲載
「アートビジネスの教科書」全8回まとめと感想
【予告編】
教養として求められている現代アートの歴史をおさらいし、アート業界を超える各方面からの動向を深堀している。
・実は「アート展覧会好き」の国民と知られる日本人
①2017年1日当たりの観客動員数ベスト5のうち3つが日本の美術館であった(世界の人気展覧会より)
・各方向からのアート熱の高まり
②アート愛好者
・作品の価値を決めるプレーヤーの存在
画廊、オークション会社、ミュージアム、メディア
【第1回】
現代、アートがその業界で終始するのではなく、ビジネスの観点からも重視されるのは、ビジネスにはアートとサイエンスのバランスが必要だからである。
①正解のコモディティ化を脱するための創造力の必要性
不安定で予測のできない世の中であるにもかかわらず、論理的な情報処理スキルが世の中で慢性化した結果、誰もが同じ答えにたどり着くようになった
②自由になるためのリベラルアーツ
アートを深めることで組織や企業から束縛という固定概念にとって侵害されないための自己の信念をもつ
③アートとサイエンスの相関性
パターン認識からの解放による多様な視野や複雑な対象の言語化の実現はサイエンスへの効果も期待できる。
コンサルタントの市場は伸びているものの、1人1人に対する価値は下がっているのは情報処理能力の慢性化であり、ここからの差別化として創造力が必要になるのは一理ある。ただ必ずしもアートで解決する問題化は明確でなく、アートを対象としたときにどの観点からどのように感じるかはその人が持つ感受性にもよるのではないか。その点からはアートをただ展示するのではなく、その説明の言語化も必要
【第2回】
現代アートの歴史と読み解き方
「現代アート」
…現代社会の情勢や問題を反映し、美術史や社会への批評性を感じさせる作品
①歴史的権威があったヨーロッパや中国が文化・芸術の覇権も握っていたことに着目し、経済的覇権だけでなく文化的な覇権の掌握を目指す
②第二次世界大戦でヨーロッパが荒廃したことと、抽象表現主義の画家が活躍したことが本格的にアメリカがアートの中心であるという認識を浸透させることにつながった
現在はヨーロッパも負けじと覇権を取り戻す動きが活発化しているのと同時に、中国も急伸している
【第3回】
画廊(ギャラリー)はアートの価格をどう決めているのか
画廊:アート作品の最初の買い手となり、市場へ流通させる役目を持つ
(それを担う人々をギャラリストという)
絵画の市場にはアーティストと商品という2つのカテゴリーがある
①プライマリー・マーケット
ギャラリストが扱ってきた美術史の流れに沿うようなアーティストを扱っていくことが重要である
②セカンダリー・マーケット
価格設定が重要である
…安すぎるとアーティストの制作の継続ができなくなるため
高すぎると結局値下げされ購入済みの客からの不満がでるため